インプラントの安全性について
インプラント治療は、長年にわたり世界中で実施されており、その安全性と信頼性は多くの臨床研究によって証明されています。
インプラントに使用されるチタンは、骨と強固に結合する性質を持ち、生体親和性が非常に高いため、アレルギー反応や拒絶反応のリスクはほとんどありません。
また、現代のインプラント手術は、完全滅菌されたクリーンな環境で行われるため、感染症のリスクも最小限に抑えられています。CTやシミュレーションソフトによる精密な事前診断と3Dガイド手術の活用で、安全性と成功率は年々向上しています。
ただし、すべての外科手術と同様に、感染症・神経損傷・骨結合不全といったリスクを完全にゼロにすることはできません。適切な診断、技術力のある歯科医師による手術、そして術後の正しいケアが、長期的な成功の鍵となります。
インプラントのリスクと副作用
術後に腫れや痛みが生じる
インプラント手術の直後は、腫れ・痛み・出血・違和感などが一時的に起こることがあります。多くの場合、2~3日程度で症状は落ち着き、鎮痛剤で十分に対応できます。
顎骨が薄い方や、骨造成を併用した場合は腫れが強く出ることもありますが、これは体の自然な治癒反応です。心配な症状が長引く場合には、早めの診察を受けることが大切です。
神経麻痺が残る可能性
下顎の内部には下顎管(かがくかん)という神経と血管の通る管があり、ドリル操作時にこの神経を刺激すると、一時的なしびれや麻痺が生じることがあります。
当院では、CTによる三次元解析で神経の位置を正確に把握し、安全域を確保した上で施術を行います。まれに回復に時間を要する場合もありますが、多くは薬による治療で改善が見られます。
骨とインプラントが結合しないケース
顎骨の密度や質が悪い場合、まれにインプラントと骨がうまく結合しないことがあります。
このような場合には、再埋入手術や骨造成処置を行い、再度の結合を促すことが可能です。また、手術時の過熱(オーバーヒート)を防ぐために、専用のドリルと冷却水を用いた慎重な操作が行われます。
感染によるインプラント脱落
手術後の初期段階では、インプラント部位の歯磨きが制限されるため、うがい薬による殺菌ケアが重要です。ケアを怠ると、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)を発症し、最悪の場合は脱落につながります。
インプラント周囲炎の主な原因はプラーク(歯垢)です。正しいブラッシングと定期的なメンテナンスにより、感染を防ぎ、インプラントを長持ちさせることができます。
当院の安全なインプラント治療への取り組み
CTによる精密な三次元診断と治療計画
インプラント治療を安全かつ確実に成功させるためには、事前の精密な診断と綿密な治療計画が欠かせません。歯科用CTを用いることで、骨の厚みや密度、神経・血管の位置、さらには粘膜の状態までを三次元的に把握することが可能です。これにより、従来のレントゲンでは見落とされがちだったリスクも正確に特定できます。
また、CTデータをもとに手術シミュレーションを行い、埋入角度や深さを事前に設計することで、より安全で確実なインプラント治療を実現します。骨量が不足している場合には、CT画像を参考に骨造成の必要性を判断することもできます。
サージカルガイドを用いた正確なインプラント埋入
当院では、インプラント埋入時のわずかなズレも防ぐためにサージカルガイドと呼ばれる専用のガイド装置を使用しています。サージカルガイドとは、CTデータをもとに作製されるマウスピース型の手術補助装置で、インプラントを埋め込む位置・角度・深さが正確に反映されています。
このガイドに従って手術を行うことで、人為的な誤差を最小限に抑え、安全かつ正確なインプラント埋入が可能になります。
※サージカルガイドの作成には別途費用がかかります。
サージカルガイドを使用するメリット
正確な埋入位置の確保
サージカルガイドを使用することで、神経や血管を避けながら計画通りの位置・角度・深さにインプラントを埋入できます。これにより、手術中や術後に神経を損傷したり、骨を突き抜けてしまうようなトラブルのリスクを大幅に低減します。
手術時間の短縮と低侵襲治療
サージカルガイドを使用することで、手術の精度を保ちながらも施術時間を短縮でき、余分な切開や骨削除を避けられます。その結果、出血や腫れが少なく、患者様の身体的負担を軽減した治療が可能です。
高い予知性と長期安定性
正確な位置と角度でインプラントを埋入することで、噛み合わせのバランスを長期的に安定させることができます。誤った埋入角度による負担の偏りや、将来的なトラブルを防ぐことにもつながります。
さらに、定期的なメンテナンスと歯周病予防を継続することで、インプラントの長寿命化と快適な咀嚼機能の維持が期待できます。
歯周病治療でインプラントの長期安定をサポート
インプラントを長く安定させるには、健康な歯ぐきと骨の状態が欠かせません。
当院では手術前に歯周病や口腔内の炎症の治療を行い、口腔内の状態を整えています。
歯石除去やブラッシング指導などの基本ケアに加え、必要に応じて歯周組織再生療法を行い、失われた歯ぐきや骨の組織を回復させます。
さらに、インプラントを埋入する骨量が不足している場合には、骨造成を行い、十分な骨の厚みと高さを確保します。
これにより、インプラント周囲の感染リスクを最小限に抑え、治療後の安定性を高めることが可能です。
こうした術前の口腔環境の改善は、インプラントだけでなく、周囲の天然歯の健康維持にもつながります。手術前に必要な処置を行うことで、インプラントの長期安定と治療成功を支える体制を整えています。
静脈内鎮静法による安心で負担の少ない手術
歯科治療に対して強い不安や恐怖心を抱いている方でも、安心してインプラント治療を受けていただけるよう、当院では静脈内鎮静法(セデーション)を導入しています。
点滴によって鎮静剤を投与し、ほとんど眠っているようなリラックス状態で手術を受けることができます。
手術中の音や振動が気にならず、時間の感覚もぼんやりとしているため、ストレスを大幅に軽減できます。麻酔は麻酔専門医の立ち会いのもとで実施され、安全性にも十分に配慮しています。恐怖心が強い方や複数本のインプラントを行う方には特におすすめの方法です。
感染対策を徹底した安心のオペ環境
インプラント治療は外科手術を伴うため、感染防止対策の徹底が欠かせません。当院では、使い捨て手術着や滅菌器具の使用はもちろん、手術室全体の清浄度管理を徹底しています。
また、器具は患者様ごとに個別滅菌・密封保管し、使用直前に開封する体制をとっています。目に見えない部分まで清潔を維持することで、術後感染のリスクを最小限に抑え、安全で安心できるインプラント手術を実現しています。
治療後の丁寧なアフターケアとメンテナンス
インプラントは埋め込んで終わりではなく、そこからのケアが何よりも大切です。インプラント周囲の歯ぐきや骨は、天然歯と同じように歯周病(インプラント周囲炎)を起こすことがあります。そのため、治療後も定期的なメンテナンスが欠かせません。
当院では、3ヶ月に1回のメンテナンスを推奨しており、クリーニングや噛み合わせのチェックを丁寧に行います。適切なセルフケアと定期的なプロケアを続けることで、インプラントの寿命を延ばし、快適な噛み心地を長期間維持することが可能です。
